2022年11月4~6日にかけて、一橋講堂(東京)で開催された第8回日本HTLV-1学会学術集会にて、当分野の大学院生が研究成果を発表しました。ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-1)は成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)という血液のがんや、HTLV-1関連脊髄症(HAM)という四肢などの麻痺を来す難治性疾患の原因となるウイルスです。九州・沖縄地方を中心とする西南日本は、先進諸国で最もHTLV-1感染者が多く分布する地域であり、HTLV-1関連疾患の研究は日本がリードすべき重要な課題です。今回の学術集会では、当分野でATLのバイオマーカーとして同定した可溶性tumor necrosis factor受容体2型(TNFR2)が、HAM患者の臨床的重症度と相関することを報告しました。今後、さらに多くの症例を解析することで、TNFR2をHAM患者の重症度バイオマーカーとして利用できる可能性があります。
(文責:崎浜)