
2025年1月29日、琉球大学保健学科大湾知子准教授が開講した琉球大学共通教育科目「運動・スポーツ科学演習(空手)」の授業に4年間、ボランティアとして、本学学生への空手教育に尽力した関係者が、琉球大学西田睦学長を表敬訪問した。
今回の訪問では、一般社団法人沖縄伝統空手国指定無形文化財・ユネスコ世界遺産登録推進協会でもある沖縄空手の少林流、小林流、剛柔流、上地流の師範をはじめとした空手関係者、沖縄県の文化財課、空手振興課および文化振興課の職員、そして西田学長にくわえて、本学教職員も参加し、「大学における空手教育の実践報告と継承」について懇談を行った。懇談の中で推進協会の東恩納盛男理事長は「沖縄の生活文化における伝統空手を今後も引き続き大学教育においても普及させたい」と述べ、空手振興課の桃原直子課長は「沖縄空手は、技や独自の鍛錬法、精神性などの価値が世界の国々で認められており、生活文化として綱挽きや獅子舞、ハーリーなどの地域行事と密接に関わっており広く一般県民に浸透した伝統文化である。さらに学校教育、生涯教育として子どもから高齢者まで幅広く親しまれ、町道場は、礼儀や道徳を身に着ける人間教育の場、健康維持を叶える場、世代や国籍を超えた交流の場となっている。沖縄県としては、ユネスコ無形文化遺産登録に向けた取り組みには、現代まで大事に受け継がれてきた沖縄空手の文化的な価値を認識し、文化を保存し次世代に継承する重要な意義がある。学術的な関わりなどでも応援をお願いしたい。」と語った。
文化振興課の佐和田勇人課長は「沖縄県では、産学官民連携のもと沖縄県全体で機運の醸成を図り、沖縄県の文化振興のため沖縄空手を始め沖縄伝統文化のユネスコ無形文化遺産登録を目指している」と語った。
西田学長は学生への空手教育に長きにわたり尽力された関係者に謝意を表した。
なお、大学地域連携推進機構では2025年3月30日に、「生活文化における沖縄伝統空手と健康」と題し、那覇市牧志ほしぞら公民館で出前講座を主催する。この講座では本学の大湾氏が「琉球大学共通教育における沖縄伝統空手の普及教育」、沖縄県の佐和田氏が「世界につながる沖縄空手」、沖縄空手研究所所長の嘉手刈氏が「剛柔流開祖 宮城長順の偉業とその残された課題」に関する講演を予定している。さらに講演および演武の後に東恩納盛男氏、島袋善保氏、仲程力氏、市川修氏によるパネルディスカッションが行われる。当日は、参加登録無しで来場できるため、積極的な参加を呼びかけている。県教育庁文化財課の古堅元指導主事は、令和6年度琉球大学サテライトキャンパス出前講座に空手を取り入れた取り組みを文化庁へ情報を提供しました。
文責:大湾知子(保健学科成人・がん看護学分野)