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疫学・健康教育学研究室

疫学・健康教育学研究室

教員

教員氏名:高倉 実
教員氏名:高倉 実

教育

2年次 疫学
3年次 学校保健学健康教育学、卒業研究Ⅰ
4年次 卒業研究Ⅱ
共通教育 運動・スポーツ科学演習

研究

  • 青少年における健康の社会的決定要因に関する社会疫学研究(科研費Ⅰ

健康の社会的決定要因として,ソーシャル・キャピタル(SC)が注目されています.SCとは人々の協力を容易にさせる信頼,互酬性,ネットワークといった社会的資源,すなわち,“集団の力”のことです.SCが豊かな地域は,人々が助け合い,健康情報が伝わり,健康規範も高くなり,ストレスも少なくなるために,健康状態も良好になると仮定されます.若者の場合,地域だけでなく学校も重要なコミュニティとなり,その文脈におけるSCは人格形成や学業だけでなく健康にも大きく影響します.学校や地域のSCと若者の健康指標との関連を検討したところ,個人特性を越えた集団レベルのSCが健康に及ぼす文脈効果を有すること,地域より学校レベルの集団の力が強いことを示しました.(図)

疫学・健康教育学研究室1
  • 児童思春期の身体活動・体力と学力向上に関する縦断的研究(科研費)(QAB

身体活動が健康に恩恵をもたらすだけでなく、脳機能や認知機能を高め、学力に好影響を与えるか否かについて多くの議論がなされています。これまで、有酸素性能力が脳機能にポジティブな効果を持つことが明らかになっていますが、有酸素性能力が身体活動と学力との関連を媒介するという仮説に関する知見は一致していません。我々は、種々の交絡因子を考慮した上で、身体活動(PACE+)と学力(5教科平均評定)との関連における有酸素性能力(20mシャトルランテスト)の媒介効果を検討したところ、男子の場合、有酸素性能力が身体活動と学力の関連を媒介すること、女子の場合、身体活動と有酸素性能力のいずれも学力と関連を示さないことを明らかにしました。(図)

疫学・健康教育学研究室2
  • 児童思春期の心理社会的学校環境と健康状態との関連(科研費Ⅰ)(琉球新報
  • 児童思春期のヘルスリスク行動の経年変化と関連要因(OkiSH
  • 児童思春期における喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育の介入効果
  • 児童思春期における心の健康教育の介入効果

最近の主な論文

※筆頭著者のみ、全リストはresearchmapに掲載

  • Takakura M, Miyagi M, Kyan A. Changes in the prevalence of health-risk behaviors among Japanese adolescents before and during the COVID-19 pandemic: 2002-2021. School Health 2023;19:14-25. doi.org/10.20812/jash.SH_125
  • 高倉実. 子どもの資質・能力を育む身体活動・運動の可能性. 子どもの発育発達 2023;21:2-4.
  • Takakura M, Miyagi M, Kyan A. Time trends of socioeconomic inequalities in adolescent smoking in Okinawa, Japan, 2008–2016: a repeated cross-sectional study. Environmental Health and Preventive Medicine 2021;26:24. doi.org/10.1186/s12199-021-00948-y
  • Takakura M, Miyagi M, Ueji M, et al. The relative association of collective efficacy in school and neighborhood contexts with adolescent alcohol use. Journal of Epidemiology 2019;29:384-390. doi:10.2188/jea.JE20180125
  • Takakura M, Miyagi M, Ueji M, et al. Development of school and neighborhood collective efficacy scales for use in Japanese adolescent health research. School Health 2017;13:11-19. doi:10.20812/jash.SH_089
  • 高倉実. 沖縄からみた社会関係と健康. 日本健康教育学会誌 2016;24:239-244. doi:10.11260/kenkokyoiku.24.239
  • Takakura M. Relations of participation in organized activities to smoking and drinking among Japanese youth: contextual effects of structural social capital in high school. International Journal of Public Health 2015;60:679-689. doi:10.1007/s00038-015-0697-4
  • Takakura M. Hamabata Y, Ueji M, Kurihara A. Measurement of social capital at school and neighborhood among young people. School Health 2014;10:1-8. doi:10.20812/jash.SH-2014_067
  • Takakura M. Does social trust at school affect students' smoking and drinking behavior in Japan? Social Science & Medicine 2011;72:299-306. doi:10.1016/j.socscimed.2010.11.003
  • Takakura M, Wake N, Kobayashi M. The contextual effect of school satisfaction on health-risk behaviors in Japanese high school students. Journal of School Health 2010;80:544-551. doi:10.1111/j.1746-1561.2010.00540.x

社会貢献活動

主な卒研テーマ

2022年度卒業論文(これまでのすべての卒業研究テーマ
  • 高校生における危険行動とアカデミックリスクとの関連について
  • 複数の社会経済的指標からみた青少年の危険行動の出現割合について
  • 青少年における自殺念慮と抑うつ症状との関連:学校連結性の予防的役割
  • コロナ禍における高校生のウェルビーイングと社会経済状況との関連:学校ソーシャル・キャピタルの調節効果
  • コロナ禍における高校生の体型認識の歪みと抑うつ症状との関連