生体代謝学研究室
生体代謝学研究室
生体代謝学とは
生体代謝学では、保健学科学生に対し、生化学や栄養学の講義および化学実験を行う基礎医学的および臨床化学的実習を主として担当しています。
生体内で起こっている生物化学的反応を理解していく上で、「生化学」は基本をなす重要な学問のひとつです。化学を基盤として、ヒトの体のしくみや生命科学、生物学を組み合わせた学問です。基本的知識として、①生体を構成している化学物質の構造と働き、②生体内でおこる様々な物質の化学反応、③糖、脂質、タンパク質、核酸の代謝、④代謝の変調がもたらす病態を学びます。「栄養学」では、からだの構造や機能と栄養、体内の栄養素の代謝など栄養学の基礎から、健康と栄養、疾患と栄養の関連について必要な知識を学びます。
私たちの健康と生命を守るために細胞レベル、組織レベルで行われている現象を理解できるよう、また将来の医療専門職に必要な専門知識や実験原理、操作についての講義を担当します。
教員
教員氏名:原嶋 奈々江
- 職名:教授
- 学位:博士(医学)
- 専門分野:生化学、病態生化学、分子細胞学、腫瘍免疫学
- メルアド:nanaeh (@med.u-ryukyu.ac.jp)
-
【研究者総覧】http://kenkyushadb.lab.u-ryukyu.ac.jp/html/100001208_ja.html
教員氏名:伊藤 早苗
- 職名:准教授
- 学位:博士(栄養学)
- 専門分野:人間栄養学、ライフステージ栄養学
- メルアド:sanaei (@med.u-ryukyu.ac.jp)
-
【研究者総覧】http://kenkyushadb.lab.u-ryukyu.ac.jp/html/100001589_ja.html
教育
1年次 | 生化学、栄養学 |
---|---|
2年次 | 分析化学、生化学実習、RI検査技術学、食品衛生学、臨床化学Ⅰ |
3年次 | 臨床化学Ⅱ、健康食品学、技術卒業研究Ⅰ・Ⅱ |
4年次 | 総合検査学、技術卒業研究Ⅲ |
研究
- 薬剤耐性上皮性がんに対する新規抗がん治療薬候補の探索をおこない、がん選択的な細胞死誘導のメカニズムを明らかにすることを目指しています。
- がん細胞における低酸素という微小環境や酸化ストレス応答に着目し、がん細胞死誘導効果について検討しています。
- 亜熱帯性植物に多く含まれるフラボノイド等を用いた抗がん効果の検討をしています。
- 食べることと健康との関係について検討をしています。
社会貢献活動
- 日本癌学会評議員
- 日本がん免疫学会・日本免疫学会・日本分子標的治療学会・日本HTLV-1学会会員
- 海外及び国内の、がん及び分子生物学系学術誌査読委員
- 日本栄養改善学会評議員
- 日本栄養・改善学会、日本健康学会、日本健康教育学会、日本DOHaD学会、日本疫学会、日本給食経営学会、日本小児保健学会会員
主な卒研テーマ
- ノビレチンのヒト大腸癌に対する細胞増殖抑制とアポトーシス誘導機序に関する研究
- 柑橘類由来タンゲレチンのヒト大腸がん細胞に対するアポトーシス誘導機序に関する研究
- セルベースアッセイを用いた沖縄の植物由来新規抗がん治療薬候補のスクリーニング
- 植物抽出物のラジカル消去活性と抗腫瘍効果の関連性に関する研究
メッセージ
「生化学」は化学と生物学をベースに、ヒトの体の中で起きている事象を化学的・生物学的に理解するための基礎医学の科目です。将来、医療に携わる方にはどのような資格・職業であっても必要になります。普段は目に見えない細胞やその中のことを学ぶため、とっつきにくい、難しい、と思われがちですが、栄養学と合わせていずれも、実は日常生活に大いに関係する学問でもあります。
研究面では、日本人死因第一位のがんに対する効果的治療開発研究の一端として、現在は特に亜熱帯性植物に多く含まれるフラボノイドに関して、卒業研究などで取り組んでいます。当分野の専門である「生化学」「栄養学」からのアプローチで今後もさらに研究を展開する予定です。