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保健学科とは
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保健学科長あいさつ

保健学科長 豊里 竹彦

保健学科長
豊里 竹彦

保健学科入学を考えている人へ

琉球大学医学部保健学科
保健学科長 豊里 竹彦

保健学は、健康に関する科学的な研究や理論を基盤とする実践的学問であり、健康の維持・増進、疾病の予防・管理、生活習慣の改善などに寄与する学問です。看護学、検査学、疫学、栄養学、運動科学、心理学および社会学など、様々な分野が連携し、個人やコミュニティの健康を促進するための知識、技術、解決策やプログラムを開発することを目指します。

現代社会は、少子高齢化における人口減少、大規模災害や生命を脅かす感染症および地政学的リスクなどに伴う様々な健康課題に直面しており、特にCOVID-19の流行や未曾有の自然災害は、保健学を学ぶ者に多くの教訓をもたらしました。つまり、健康問題に取り組む際には、地球規模でのアプローチである「グローバルな視点」、地域の持つ文化、ノウハウ、人のつながりや支え合いなどの社会資源を利用する「ローカルな視点」、また、情報通信技術(ICT)、人工知能 (AI) や医療デジタルトランスフォーメーション (DX)を活用する「デジタル化の視点」が必要であり、これら「3つの視点」を統合した医療人材の育成が求められています。このような医療人材育成をめざし、琉球大学では、500以上の共通教育等科目と、保健学科では、「生命倫理学」をはじめ100以上の専門教育科目が提供されています。また、タイやラオスなどの海外の学生との交流も積極的に行っており、学生の能動的な学習姿勢を期待しています。また、医療従事者や研究者を目指す学生には、幅広い知識や高度な専門技術に加え、豊かな人間性、社会性や高い倫理観も求められます。琉球大学には120を超える部活やサークルがあり、人間形成のために重要な大学4年間を多くの人と交流する機会を得ることができます。

最後に、琉球大学医学部保健学科は、戦後の沖縄県の医療・福祉の復興、特に感染症治療や予防および母子保健の確立のため、1968年に那覇市与儀に保健学部として設置されました。1983年に西原町上原への移転を経て、“国際性・離島の特性を踏まえた沖縄健康医療拠点”形成を目指し、2025年に西普天間へ移転します。沖縄健康医療拠点の形成に向けて、医療イノベーションを推進するために、国際化、人材育成、医療水準の向上、先端研究・産業振興など、様々な取り組みが行われています。本学科を希望する学生の皆様には、その一翼を担い、この目標に貢献できる人材となることを期待しています。

保健学科 7つの特色

  1. 入学してから選べる2つのコース

    早期体験実習(1年次夏季)を体験した後に、看護学コース、検査技術学コースのどちらかを選択します。

  2. 医学科と一緒に学べるカリキュラム

    おきなわクリニカルシミュレーションセンターを使ったシミュレーション演習では、医学科の学生と共に、コミュニケーションスキルや初歩的診察スキルを学べます。

  3. 実習施設の充実

    通常の診療のみならず、専門的な診療や先進的な医療を提供する特定機能病院の指定をうけている琉球大学病院で実習することができます。

  4. 県外学生が多い

    入学者の1~2割は、県外出身の学生です。多様なバックグラウンドの学生と学ぶことによって、視野を広げることができます。

  5. クォーター制

    クォーター制によって、夏休みをしっかりとることができます。夏休み期間中に短期留学も可能です。

  6. 総合大学だから、多様な教養を学べる

    人文、社会、自然などの教養科目に加え、沖縄の歴史・文化・環境等に焦点を当てた地域創生科目、キャリア形成科目、10か国語以上の外国語科目などが学べます。また、約130の部活やサークルがあり、色々な学部の学生と交流することができます。

  7. 卒業研究で考える力を育てる

    1年以上をかけて、自分で決めたテーマに取り組みます。文献精読、実験、調査、解析、発表、討議、論文作成などを通じて、考える力が育ちます。

保健学科 3つのポリシー(学部)

アドミッション・ポリシー

■ 学科等の教育理念・目的

保健学科は包括的保健医療の概念に基づき、健康にかかわる科学と技術を教授することで、健康問題を解決できる科学的思考力と健康科学の進歩に即応できる高度な能力を有しながら、社会性及び豊かな人間性を兼ね備えた専門職を育成すること、ならびに国際的視野を有する指導的人材を育成することを教育理念としています。

■ 求める学生像

本学科は看護、臨床検査、国際・地域保健等の分野でリーダーシップを発揮し、活躍できる人材の育成を目指します。

  1. 生命科学、保健・ 医療・ 福祉に強い興味と関心を持ち、主体的に学ぶ意欲のある人
  2. 生命を尊重し、相手の身になって行動できる人
  3. 自らの目標に向かって自己啓発し、多様な人々と協働ができる人
  4. 論理的に物事を考え、科学的に解決する意欲のある人

ディプロマ・ポリシー

本学科は、看護学と検査技術学の2コースから成り、それぞれ以下の学習目標を立てています。

■ 看護学学習目標

  1. 生命を尊重し、豊かな人間性を備えた看護専門職としての知識・技術及び態度を習得します。
  2. 保健学を基盤とした看護実践能力を習得します。
  3. 保健医療福祉の専門職者と連携・協働し、社会に貢献できる専門能力を習得します。
  4. 社会の変化や医療の高度化、多様化に対応できる柔軟な思考力と自主性を身に付けます。
  5. 諸外国との学際的交流をとおして、グローバルな視点での看護活動を学びます。
  6. 保健学を基盤とした研究能力を習得します。

■ 検査技術学学習目標

  1. 臨床検査の専門家に必要な医学知識・医療技術を習得します。
  2. 病因を解明するために有用な関連科学分野の知識・技術を習得します。
  3. 臨床検査技師として、地域における保健医療問題の解決のための即応力を習得します。
  4. 医療・健康関連分野で幅広く活躍するために医学知識・医療技術を生かした水平展開力を身に付けます。
  5. 医療の現場に求められるコミュニケーション力と協調性を身に付けます。
  6. グローバル時代の医療人に要求される語学力やITを活用した情報収集・発信力を習得します。
  7. 社会人として、また医療分野のリーダーとして必要な見識や教養を身に付けます。

カリキュラム・ポリシー

保健学科の教育理念に基づき、看護学コース、検査技術学コースの2つの教育カリキュラムがあります。
それぞれのコースで学習目標達成のために取り組むべき方針を示します。

■ 看護学コース

  1. 看護ケアを提供するうえで必要な基礎医学的知識を習得したうえで、疾病の成因と治療法などに関する知識を習得する。豊かな人間性の涵養や基本的人権としての健康概念を形成し、患者の生死に関して実際に生じている医療や社会的な問題をテーマに、グループワークやディベートをとおして生命尊重の態度を養う。また、チーム医療の概念を身に付ける。看護専門職者として、対象者に接する態度及び基本的知識と技術を習得する。
  2. 対象者の健康状態を査定する基本的な実践能力を養う。そのうえで対象者の健康レベルや障害の程度に応じた看護ケアを実践する際に必要な技術及び態度、さらに判断や評価方法を習得する。3~4年次では各専門領域において臨床の場面での実際の判断、評価を体験させ、看護実践能力を養う。
  3. 医療保健システムや地域に存在する社会資源に関する知識を習得し、保健医療問題に看護専門職としての関わり方を学ぶ。それぞれの専門分野における看護職としての役割を認識し、他職種との連携に関する専門的知識を習得する。さらに臨床や地域の場での実習をとおして、現場で患者をとりまく関係者及び看護師以外の保健医療・福祉専門職者等と連携、協働を体験する。
  4. 医療の高度化や多様化、社会の変化の現状を習得する。その後、ひとつのテーマを掘り下げて考え、まとめ、発表するという一連のプロセスを体験させることにより、柔軟な思考力と自主性を涵養する。
  5. 東南アジアを主とする諸外国に生じている健康上の課題を解決するためにすすめられている国際的な研究や学術交流の実態と、これらの活動に加わるための基礎的な知識及び能力を修得する。
  6. 健康に影響を及ぼすさまざまな事象及び健康問題をとらえるための基本的な知識や方法を習得する。各専門分野での課題を研究し、課題解決に際してさまざまな情報を収集し整理する基本的能力や科学的探究心や基本的な研究能力を養う。

■ 検査技術学コース

  • 生命や疾病の成り立ち外因に対する生体の反応など、医学の基本的な知識を習得する。臨床検査の知識や実践能力を習得する。また、特別講義などで最新の技術や臨床検査分野の現状を学ぶ。臨床検査の専門家と接し、知識と技術を実感するとともに、習得した知識や技術を用いて、臨床検査を体験し、臨床検査技術を習得する。
  • 生命の成り立ちに関する基本的な知識とともに病因や疾病の成り立ち、病因を分析する方法を習得する。病態の解析法や、病因を分析するための知識と実践能力を習得する。また、データの解析手法、分析技術を習得するこれらの習得した知識や技術を応用し、特定の疾患の病因の解明に取り組む。
  • 医療保健システムや地域の医療問題の抽出、解決方法、生活環境を基盤とした疾患の成因や対策について習得する。医療保健システムや地域の医療問題の実態を体験するとともに、地域の医療問題に関する研究をとおして問題解決の即応力を習得する。
  • 医療保健システムや健康増進、疾病予防のための保健福祉政策、疾病の予防や治療法を学ぶ。また、健康食品や、自立支援に関する知識を身に付ける。
  • 保健医療の現場で専門家と交流し、医療現場の実態や問題点などを実感するとともに、臨床検査技師の指導のもとで、臨床検査の技術を身に付ける。
  • 医療人として必要な英語及び、ITに関する知識と活用法を習得する。また、医療現場でのIT活用の実態を体験する。さらに、研究を進める中でITを活用し、英語文献に接しながらテーマに纏わる情報を収集する。研究の成果をまとめ発表する技術を洗練する。
  • 保健医療現場で遭遇する倫理問題について、医療現場の専門家と意見を交換、熟考するとともに、社会人として必要な見識や教養を身に付ける。